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『トレンドハンター調査結果』お年玉をいくら渡しましたか?お年玉の金額決定要因 ― 年齢と関係性が生む段階構造 ―

『トレンドハンター調査結果』お年玉をいくら渡しましたか?お年玉の金額決定要因 ― 年齢と関係性が生む段階構造 ―

お年玉の季節が来るたびに、
多くの人が毎年同じことで悩みます。

「いくら渡せばいいのか」
「少なすぎないか、多すぎないか」
「去年と同じでいいのか」

一見すると単なる金額の話に見えますが、
実はそこには、日本人特有の“関係性の感覚”が色濃く表れています。

そこで今回、トレンドハンターでは
「お年玉を渡した方にお聞きします。いくら渡しましたか?」
という問いを軸に、
金額・渡した相手の年齢・渡す側の年齢を組み合わせた
クロス集計分析を行いました。

見えてきたのは、
お年玉は感覚的に渡されているようで、実は非常に合理的に設計されている文化 だという事実です。

トレンドハンターとは

トレンドハンターは、
1日約150万PVを誇るギガファイル便上に掲載されるアンケート調査サービス です。

アンケートは「回答を目的に集まった人」ではなく、
ファイル送受信という日常行動の中で訪れたユーザーに
自然な形で接触 します。

そのため、

  • 回答が形式的になりにくい

  • 誘導的な意見になりにくい

  • 直感に近い生活者の本音が得られやすい

といった、従来の調査手法では得にくい
リアルで温度感のあるデータ を収集できる点が特長です。

お年玉の最多ゾーンは「500円以下」と「5,000円」

お年玉の金額分布(単純集計)

  • 500円以下:24%

  • 5,000円:22%

  • 10,000円:20%

  • 20,000円以上:11%

  • 3,000円:10%

  • 1,000円:8%

  • 2,000円:5%

ここで注目すべきは、
「少額」と「きりのいい金額」に山が二つできている 点です。

なぜ「500円以下」が最多なのか~筆者目線

一見すると意外に感じる
「500円以下が最多」という結果。

しかしこれは、
お年玉が“経済支援”ではなく
「気持ちのやりとり」 として渡されているケースが多いことを示しています。

  • 親戚が多い

  • 未就学児・小学生が多い

  • 金額より「渡す行為」そのものを重視

こうした場面では、
「少額でも全員に渡す」ことが
大人側の合理的な選択になります。

5,000円・10,000円は「責任を伴う金額」

一方で、
5,000円(22%)・10,000円(20%) という金額帯も
非常に大きな割合を占めています。

このゾーンは、

  • 中学生以上

  • 甥・姪、孫など距離の近い相手

  • 「ある程度きちんとした額を渡したい」場面

で選ばれやすい金額です。

ここではお年玉は、
単なるお小遣いではなく、
成長への節目を示す金額 になっています。

渡した相手の年齢が、金額を決めている

相手の年齢分布を見ると、
以下のようになっています。

  • 未就学児:21%

  • 小学生:22%

  • 中学生:14%

  • 高校生:15%

  • 大学生・専門学生:14%

  • 社会人:13%

未就学児・小学生で 全体の約4割 を占めており、
少額帯が多くなるのは自然な結果です。

中心にいるのは「40〜50代」という現実

最も多かったのは 50代(21%)
次いで 20代・40代(各19%) が並び、
30代がそれに続きます。

この分布から最もはっきり言えるのは、
調査の中心にいるのは40〜50代 だという点です。

この世代は、

  • 仕事では意思決定側に回りやすい

  • 家庭では支出・教育・介護を担う

  • 消費者としても企業側としても判断を下す

いわば、
社会の中核を担っている世代 です。

つまり今回の結果は、
「みんながケチになった」のではなく、
渡す相手の年齢構成を正直に反映した数字 だと言えます。

① 金額 × 渡した相手の年齢(クロス集計)

注目したいのは、
「渡した相手の年齢 × 金額」 のクロス集計です。

未就学児・小学生は「少額でも全員に」

未就学児では「500円以下」が最も多く、
小学生でも「3,000円〜5,000円」が中心でした。

ここでは、お年玉は経済的な支援ではなく
「渡す行為そのもの」 に意味があります。

  • 親戚が多い

  • 人数が増えやすい

  • 毎年続ける必要がある

こうした条件を考えると、
少額を選ぶのは非常に合理的です。

金額\相手の年齢 未就学児 小学生 中学生 高校生 大学生・専門学生 社会人
500円以下 560 135 43 52 110 222
1,000円 120 134 32 29 17 26
2,000円 55 98 39 25 18 24
3,000円 83 197 85 50 52 22
5,000円 100 284 266 201 103 94
10,000円 48 122 171 245 237 117
20,000円以上 49 53 46 108 142 122

中学生〜高校生で金額が一段階上がる

中学生になると5,000円が増え、
高校生では10,000円が最多となります。

このタイミングで、
お年玉は「お小遣い」から
成長を意識した金額 に変わります。

「そろそろ子ども扱いはしない」
という、大人側の心理がはっきりと表れています。

大学生・社会人では「10,000円以上」が現実的ライン

大学生・専門学生では
10,000円、20,000円以上が大きな割合を占め、
社会人であっても一定数が高額帯を選択しています。

ここでは、お年玉は
「支援」よりも
関係性を維持するためのイベント的金額 になっています。

少なすぎると気まずく、
多すぎると続かない。
その絶妙なバランスが数字に表れています。

  • 相手の年齢が上がるにつれて、金額も段階的に上昇

  • 未就学児・小学生では「少額でも全員に」が合理的

  • 高校生以降は「10,000円以上」が現実的なラインに

② 金額 × 渡す側の年齢(クロス集計)

「渡した金額 × 渡す側の年齢」 を見ると、
さらに分かりやすい傾向が現れます。

  • 10代・20代:500円以下が最多

  • 30代・40代:5,000円・10,000円が中心

  • 50代:10,000円が最多(278件)

  • 70代以降:20,000円以上が相対的に多い

これは単に
「年収が上がるから」ではありません。

  • 渡す人数が減る

  • 関係性がより近くなる

  • “節目”を意識する立場になる

といった、
ライフステージの変化 がそのまま反映されています。

金額\渡す側の年齢 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以降
500円以下 258 287 187 120 133 97 40
1,000円 31 95 97 65 32 30 8
2,000円 24 64 60 46 32 29 4
3,000円 19 88 108 113 106 45 10
5,000円 51 162 162 237 271 127 38
10,000円 31 145 130 208 278 108 40
20,000円以上 70 60 59 88 137 64 42

 

  • 年齢が上がるにつれて高額帯が増加

  • 50代では「10,000円」がピーク

  • 70代以降では「20,000円以上」も現実的な選択肢

③ 渡した相手の年齢 × 渡す側の年齢(クロス集計)

「渡す側の年齢 × 相手の年齢」 を見ると、
お年玉文化の本質がよく分かります。

  • 20〜40代:小学生・中学生が中心

  • 50代:高校生・大学生がピーク

  • 60代以上:未就学児・社会人が増加

つまり、
人はその時々で
「一番現実的な相手」に対してお年玉を渡している のです。

ここに、
無理・見栄・形式はほとんどありません。

相手\渡す側 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以降
未就学児 238 168 217 108 110 125 49
小学生 82 170 218 264 164 91 34
中学生 40 125 121 172 149 53 22
高校生 54 130 83 164 198 61 20
大学生・専門学生 33 160 49 91 275 59 12
社会人 37 148 115 78 93 111 45

 

  • ライフステージごとに「渡す相手」が自然に変化

  • 50代は大学生・高校生への支出がピーク

  • 60代以降では未就学児・社会人への分散が見られる

考察:お年玉は「感情」ではなく「設計」である

本調査で特筆すべき点は、
お年玉が感情的・衝動的に渡されている形跡がほとんど見られないことである。

むしろ、

  • 継続可能か

  • 他の相手とのバランスは取れているか

  • 関係性を損なわないか

といった要素を考慮した、
極めて実務的な判断 が行われている。

これは、日本人の金銭感覚が
「一時的な支出」よりも
長期的な関係維持を重視する構造 に基づいていることを示唆している

今回のクロス集計から分かるのは、
お年玉が感情や慣習だけでなく、
非常に論理的に運用されている文化 だということです。

  • 相手の年齢

  • 自分の年齢

  • 人数

  • 継続性

これらを総合的に考え、
「ちょうどいい金額」に落とし込んでいます。

だからこそ、
物価が上がっても
お年玉そのものは消えない

金額を調整しながら、
関係性を続けるための仕組みとして
今も生きているのです。

編集後記

相手の年齢、距離感、人数、そして自分の立場。
それらを無視して「相場はいくらか」と問うこと自体が、
今の生活者の感覚とは合わなくなっているように見えます。

むしろ今回のデータが示しているのは、
人々がこれまで以上に現実的で、
そして誠実に関係性と向き合っている姿でした。

無理はしない。
見栄も張らない。
それでも、やめはしない。

物価が上がり、生活が厳しくなる中でも、
お年玉という文化が残っている理由は、
そこに「続けられる形」へと調整する知恵があるからでしょう。

金額の大小ではなく、
関係性をどう保つか に重心が移っている。
今回の調査は、その変化を静かに、しかし確かに示していました。

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